Ⅰ.チラシのクルクル棒(以下チラシ棒)で面(コースター)をつくる作業活動
チラシを巻いてできたクルクル棒がたくさんできました。「あんでるせん細工」のように籠に仕立てるには、硬めの棒です。この大量に作られた棒を眠らせず活用する方法を提案します。
チラシのクルクル棒を貼り合わせて面をつくる作業
① チラシのクルクル棒のしわけ
この棒の仕分けのカテゴリーは、長さ、太さ、色味の3点と考えられます。
仕分ける前にどのようなものに仕立てるか検討しておくとどのくらいの太さ、色を選択すれば
よいか集中しやすくなります。これは、単純作業による疲労感を減ずる方法のひとつです。
チラシ棒は、紙片を斜めに巻くため中心部が膨らみます。膨らみのないものを最
初に選択するか、膨らみを利用するかを考えておくと仕上がりが違います。
◎太さを輪の大きさで比べる方法
上から見ると太さの違いがわかりにくい
並べて正面からみると太さがわかりやすい
③カット 切りわけてから接着 巻いているだけなのでカットしたときチラシ紙がほどける。
●カットした瞬間に巻がほどけて広がってしまう場合は、先端をのりどめ
●カットする前にスプレーのり(仮止めタイプ)をくるくる棒全体にかけて
おくとカットしたときに巻がほどけるのが押さえられる。
◎はさみ
大き目、ナイフよい切りやすいが一度に切るより1本、2本程度で切る方が
確実に切れ、巻がほどけて広がってしまったときの対応もしやすい。
◎カッター
チラシ棒をきる道具
・巻数の多いものと少ないもので道具をかえる。
・巻数の多いものは、避ける
④ カットしたチラシ棒同士の接着
(左からスプレーのり仮止め用、のり、両面テープ 極細(0.3mm))
A.接着してからのカット 巻数が一定でないこと、両面テープを接着面に使うとカットしにくいことがある。のりが固まると接着しにくい。
B.カットする前にスプレーのりをかけ膜をつくり固定しておく。スプレーのりは、仮止め用はがしやすいものでよい。
C..接着するチラシ棒の横繋がりにテープをまく。固定性がよくしっかりした板になる。透明セロテープ、クリアーシートなど透明性のあるものと模様のあるカッティングシートでもよい。凸凹を強調するようしっかり筋をつけながら面をはる
⑤. 表面の仕上げ(塗装・紙粘土)
・スプレーラッカーの使用
◎ラッカーは、広い面に噴霧する。
◎ラッカーの匂いがきつく長時間の使用、閉鎖環境での使用は禁忌
◎2度かけや近距離からのスプレーは、だまを作りやすく 表面がなめらかにならないことがある。
Ⅱ. チラシのくるくる棒で面をつくる作業活動で観察・評価できる作業特性
この作業視点は、アクティビティをする方の以下のような高次脳機能障害による行動特性を前提にしています。
①習得に時間がかかる、単純な作業の反復で学習される。
➁視野が狭かったり、視力の低下や輻輳障害があり疲れやすい。
③目―手の協調しての運動が苦手で細かい作業がむずかしい
④記憶障害があり過去の作業経験の情報不足が不足している
⑤こだわりが強く、転換に時間がかかる。
◎作業能力の適性を知るヒント
1. アクティビティの4つのプロセス(工程)を縦軸に2つの視点を横にして表にしました。 一緒に作業しながらどのプロセスで楽しく、集中してできているかを知り、その内容’(作業の質)を記入してください。
工程 | 正確・緻密 ⇔ 稚拙 | 蛋白⇔執着 |
・くるくる棒の選別 | ||
・くるくる棒の切断 | ||
・くるくる棒同士の接着 | ||
・塗装(スプレー) |
2, 道具の使用から アクティビティに必要な道具を縦軸に横軸には道具の使用が問題なくできたか、問題があれば何が問題であったか。なければ合目的に仕えているかを振り返ってみましょう。
道具 | 使用に問題あり・なし | あり(理由)・ なし(使用の質) |
・カッター(はさみ) | ||
・定規 | ||
・のり | ||
・塗装(刷毛と絵具・スプレイ―) |
3,10cm×10cm のコースターの出来上がりから
出来上がりを3つに横軸に分類しています。未完成・機能的作品・創造的作品
縦軸には、作品評価の条件を2つあげています。
未完成の条件 | 機能的作品の条件 | 創造的作品の条件 |
了解困難 | 使用目的を理解している 平らな面を意識している。 | 使用目的から逸脱している。 |
作成者に執着がない | 再生可能 | 魅力的、リアリティーがある |