発達支援の話を聞こう 「第1回 9月26日レポート」

 当法人の原が第2回目で講師を務める一般社団法人BIG BRIDGE主催の「発達支援の話を聞こう」のシリーズ講座第1回目のレポートです。

第一回「『やり方』を教えてもらったらできたよ!」

9月26日、名古屋市総合社会福祉会館で、三密に考慮した会場にて,講師よつばももこ氏による講座でした。氏は、四人の子育て経験から絵本「学校コワイ」を出版しました。大阪市教育委員会から絵本原作コンクール奨励賞を受賞されました。

ここで注目したいのは三人目のお子さん、発達特性のない女の子(Cさん)です。どうしても母親の関心を十分にかけてもらえませんでした。親も先生も発達に困難がある子を優先しがちです。辛い思いを知った母は、Cさんと二人だけで過ごすスペシャルタイムを作ったそうです。そして今、Cさんは,医療従事者になりました。

 LD(学習障害)やASD(自閉スペクトラム症)特性のある兄弟、姉妹から学んだことは子ども達の自ら育とうとする力でした。障害特性を理解した上で、どのように支援するか、親も先生も学んでいく中で、子ども達はそれぞれの長所を生かして社会の中で活躍できています。

 子ども達の特性は、個別的で、その支援も時々、環境、関係性によって異なります。例をあげてみましょう。聴覚過敏、注視困難で、言葉の遅れや表情がないLD児には、できることに注目、お手伝いをしてもらい、感謝を伝えることで環境からの刺激を選択できる支援になります。学校で給食が喉をとおらない、行方不明になる、泣く、夜眠れないなど、精神的に追い込まれている児には「自分の命を大切にすること」「集団から出し、児の過敏な感覚を守ること」で、ストレス軽減支援できます。手洗いに没頭、物の管理が下手、臭いが気になり物に触れないなどの症状には、自分ができることとできないことを、言葉で相手に伝えられるように支援します。

 2007年「、世界自閉症啓発年」では、こうした支援の一環を「仕切り直しのための完全・明るいひきこもり」と称しています。良い環境、仕切り直しの余裕、愛情に満ちた支援とは何か、子ども達から学びます。(原和子)