ハタ楽                「就労支援A型事業所 しごとも」の仕事 

社会福祉法人はる「就労支援A型事業所しごとも」のクロネコDM便配達 本人による特別報告会に行ってきました。

「しごとも」は、「社会福祉法人はる」が2005年に就労継続A型に移行した事業所です。「はる」」は1992年に共同作業所としてスタートし、2001年に社会福祉法人となり 就労支援A型事業、B型事業に取り組んでいます。2012年からは定員も増加し事務所を開設しました。雇用されている利用者は、労働基準法と障害者総合支援法の両方の制度で生活を保障されています。それでも労働時間は一般企業に比べると少ないため単価のよい仕事を請け負うことで時給1035円を達成しています。24歳から70歳まで、女性2名、男性8名 平均年齢43歳です。この「しごとも」が、ヤマト運輸のクロネコDM便の配達事業を請けっています。今日は、そこで働く人たちの報告会に参加してきました。

報告会は、DM配達事業を紹介した公益財団法人ヤマト福祉財団の助成によるもので、「しごとも」に通う方々やその家族、職員、この地域のヤマト運輸株式会社支店の方、ポスティングで知った地域の人など40人ほど。報告者は、「しごとも」のエースの3名。それぞれのお話しをまとめてみると。

『DM配達は、ポスティングと違い住所にDMを届ける仕事です。それぞれ地域を分担して担当します。仕事は、配達するDMの住所を地図で広い印をつけ、巡回ルートを決め、ルートに従ってDMを並べ替えて自転車に積んでからスタートします。雨の日は雨合羽、猛暑には、水筒、お天気アプリで事前に天候を調べます。転居などの情報は持ち帰って記録します。またヤマト運輸の地区担当の方からの情報提供も欠かせないものになっています。業務日誌を書いて一日が終了します。シャワーがあるといいな』『DMを配達したときにありがとう、ご苦労さんといわれるのがうれしいと思えて、この仕事があってよかったと思う。ポスティングでは、マンションの管理人に怒られたりいやな思いが多かった。犬にほえられるのは、苦手です。』『この仕事ができるようになるまでジョブコーチの支援もあった。地図に印をつけ実際体を動かすことが自分には、役立っているように思う。好きなピアノを楽譜を見て引くときに役立っているような気がする。外の空気、花の匂い、季節の変化を実感できて自分の立ち位置というような感覚がわかるようになった気がする。職場の人間関係をどうすればよいか考えられるようになった。』『誤配が一番つらい、上司や同僚が自分の代わりに謝ることのないようにしたいと思う。ここにくるまでデイケアに10年通っていた。そのときは調理をするなどしていた。世間話もできるようになり、薬をのむようになったので落ち着いてきたように思う。ロードバイクを買いたいので貯金をしている。将来は障碍者枠での雇用を希望している』『もともとは活動的な方だったが、燃え尽きたのかその後うつになり薬が必要なくなるまで16年かかった。今の職場は、メンタルに気を付けてくれるし個人面談の時間もあるので満足している。しいて言えば若いころ得意だった英語の学習を再開したいと思っている。』

 

報告会に参加して

報告会の前々日のポスティングで知って参加しました。地域に根差した企業をめざすヤマト運輸と

「語る、創る、暮らすを基本に働く(ハタ楽)ことを通して・・・」を掲げる「社会福祉法人はる」の活動報告会は思いがけなく楽しい時間になりました。報告者の方々は、緊張マックスですがご自分の言葉で語られる仕事観は、今企業で働く人たちが一番欲しがっているものではないでしょうか。誤配という企業にとっては大きなリスクを回避するために双方が努力しなければならないところに障碍者の社会参加の手がかりがあるように思いました。「しごとも」の配達件数が全国300か所の事業所のうち月2万件とトップクラスである理由が3人の報告の中から感じられる報告会でした。  (田原)