調理と脳のおもしろい関係

作業療法ではよく調理活動を使います。私も調理は好きです。食べるのも好きです。

作業療法士になりたての頃、私の作業療法室ではよく調理をやっていました。

調理を重ねてゆくうちに調理を楽しみにしてくれるようになってそれなりの

リハビリ効果を上げることができました。がそのリハビリ効果がなんだったか

よく説明できないことがよくありました。30年前の話です。

今は、調理のときの運動、感覚の要素の説明だけでなく認知という高度な

脳の機能からも説明ができるます。調理は、芸術でいえば演劇のように

総合的な認知の活動の結果でもあるのです。逆もまた真です。調理を

繰り返しすることで右脳と左脳の双方の情報交換が活発になって

認知機能アップが図れるのです。。

神経科学者のSuzana Herculano HouzelのTEDのスピーチで料理と脳の関係を

ニューロンのエネルギー消費という視点からプレゼンをしています。

彼女は、人間が進化の過程で火を使って料理をすることによって

ニューロンが必要とする消費エネルギーを作ることに成功したと主張しています。

体重70kgの人間の脳は1.2~1.5kgですが、同じ霊長類ゴリラは、体重が140~210kg

でその脳は0.5kgです。比べると3倍になります。人間の脳のニューロンの数は、860億

そのうち認知をつかさどる大脳皮質に約160億のニューロンがあります。同じ霊長類に

比較して特別な進化を遂げた由縁といえるでしょう。人間は料理をすることで始終

長時間にわたって食べ続ける必要がなくなりました。調理によって効率よく

脳にエネルギーを送り、時間を作り出すことができたからだと締めくくりました。(拍手)

詳細は TEDご覧ください。日本語字幕もあります。 15分のプレゼンです。

TED:アメリカのメディア組織「TED Conferences LLC」で広める価値あるアイデアを

スローガンに無料で講演を発信しています。今回のプレゼンのタイトルは

「What is so special about the human brain?」 人間の脳は、何が特別なのか?

検索word :TED, Suzana Herculuno-Houzel