今回 お産劇とお話しをいただいたナーベルプラ座代表の鈴木和代先生は、助産師であり名古屋大学
で看護教育に当たられてきた方です。ナーベルプラ座のメンバーは、助産師・看護師・保健師・医師・学生・養護教諭・児童福祉司・主婦など多彩な方々です。活動は性教育の現場です。保育園や科学館など活動の場は今後広がってゆくと思われます。子どもたちが出産の経過を知り、一人一人が大切な存在であることを伝えゆくことが 平和な社会づくりにも貢献できると考えています。
性の権利宣言
セクシュアルライツとは、あらゆる人間が生まれながらにして有する
自由・尊厳・平等に基づく普遍的人権である。
1、性的自由の権利
2、性的身体の自立・完全性・安全の権利
3、性的プライバシーの権利
4、性的平等の権利
5、性の喜びの権利
6、情緒的性的表現の権利
今回のお産劇は、出産まじかのお母さんがお父さん、助産師に暖かく見守られて
陣痛を乗り越えて無事出産を終え赤ちゃんを抱くという20分ほどの内容でした。
クライマックスは、へその緒をお父さんが切り、胎盤がでてくるというシーン。
子供たちにはこのシーンを理解してもらうため、劇の最初におへそと胎盤の役割の
お話しがあります。それでなくても「あかちゃんはどこから来るの?」という子供の
疑問にしっかり答えている内容なので子供たちは、「あかちゃんが無事生まれて
よかった。妹を大切にしなくっちゃ」「お母さんを守らなくては」などの感想や強い
印象をもつことができるようです。
鈴木先生は、子供たちの養育環境や生まれた環境も多様になってきている現在、
「生まれることは幸福なこと」の押し付けにならず命の大切さ、尊厳をつたえるにはどうしたら
よいだろうかと問題を投げかけられました。「生まれなきゃよかった」「あなたは私の子ではない」
と親から愛情を受けられず育ってきた子供たちにとって「生まれる」ことはどのように
映るでしょうか。
お産劇の配役は、ナーベルプラ座のメンバーの方たちです。出産の経験のある人には
当時を思い出させ、出産の経験がなくても陣痛が始まってから出産までのプロセスは
十分想像できます。映像ではよくリアルな出産シーンがありますが、劇というリアル感は、
また伝わるものが違うように思います。目から入ってくる刺激ではなく、皮膚で感じる感覚です。
視覚情報蔓延する現代社会、こうした取り組みが続くことを期待したいと思いました。
(田原)