2017年2月のワンコインセミナーでは幸種永遠さんから「障害と生活」をテーマにお話を伺いました。自分を発信してゆく大切さを身をもって感じていること、夢にむかって行動をおこすことが目標を作るというメッセージを受け取りました。
発信することの大切さはだれでも感じていることのように思いますが、幸種さんの体験を通して語られると「発信」の意味に改めて気づかされるものがありました。発信は命なんだなあ、という感覚です。幸種さんは原稿を用意され呼吸筋の力を意識しながら話されました。ゆっくりした語り口がいいです。参加者が多いところより少ない方が聞く側にも話す側にもいい環境のように思えます。幸種さんを身近に感じた分、いろいろな質問や感想が聞かれました。「なぜそこまでして自立した生活をしようとするのか」「そのとき親はあなたを受け入れることができたのか」に答えられました。「父親の最期の日に初めて父親が自分を受け入れてくれたのではないかという思いを持った」という言葉が印象に残ります。幸種さんが自分にしかできないことを見出しつつあることに参加者は共感したのではないでしょうか。
頸部に固定用の装具をつけ、リクライニング車いすに横たわる幸種さんの姿から、彼女の日常生活の様子を想像することは難しいです。参加者も自分の生活との違いをなかなか言葉にして質問しあうことできないのが本当のところかもしれません。幸種さんの仕事についてもお聞きしました。「幸種さんだから心のうちを話せる」「背中を押してもらえる」という人のつながりができています。幸種さんの身をもって「生き方」を示し、他者の「生き方」を支える力を必要とする人は多いと思います。同時に重度の身体障害をもつ人の社会参加の形を知るよい機会になりました。 幸種永遠さん、ありがとう!
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NPO法人作業療法支援ネット 石本 email: ishimoto.k@otsupport.or.jp