第12回東京都作業療法士学会「結束」

第12回東京都作業療法士学会

 冷たい秋雨の中 都電に揺られて首都大学東京荒川キャンパスで開催された作業療法士学会にいってきました。今年のテーマのサブタイトルはー地域包括ケアシステム構築に向けた作業療法士の役割ーです。タイトル「結束」は 平成37年(2025年 75歳人口がピークを迎える年)にむけ厚生労働省が打ち出した地域生活主体の支援・サービスの提供体制づくりに作業療法士も「結束」して取り組もう!という檄です。都市部と地方都市の医療・福祉サービスの格差は広がるばかりですが都市部が充実しているかというとそういうものではありません。サービスを提供する側の工夫と熱意、危機感だと大分県の行政と一緒に医療費軽減に貢献された作業療法士佐藤孝臣氏が檀上から若い作業療法士の方々へ檄を飛ばしました。生活の充実が医療依存からの自立につながるとする方針は「生活機能向上」を旗印にしている作業療法士には「待ってました」の追い風になるはずです。しかし利用者が健康な生活を取り戻すことは医療や福祉サービスから離れることでもあり介護保険や医療保険を財源にしているサービス提供側の経営が成り立たなくなる矛盾を抱えることにもなりかねません。この矛盾は働く側の意欲をそぐことにもつながりますが果たしてそうでしょうか。サービス提供者とサービス利用者がともにウィン・ウィンでいられるような仕組みを早急に準備しなければならないでしょう。「もっと作業療法士の皆さん 外にでてこの仕組みづくりに参加しましょう」理学療法士さん管理、栄養士さん、薬剤師さん、看護師さん介護福祉士さんなどと手をつなぎましょう。まずはケアマネージャ―さんに作業療法士の仕事を知ってもらわないと始まりませんね。と講演が続きます。おばさん作業療法士の私はNPO法人「作業療法支援ネット」の仕事はまだまだあるわいと思いました。わかりやすく「作業療法」を伝える方法と伝授の場いうのがこれからの「作業療法支援ネット」のキーワードになるでしょう。
 学会全体は急性期のリハビリテーションから回復期・維持期・地域連携 その対象も発達障害から身体障害・老年期障害・精神障害と幅広く作業療法の多様さをみることができました。
 終日の雨がそぼふる首都大学東京の荒川キャンパスはイチョウやメタセコイヤ・桜などの木々に校舎が見え隠れする不思議な空間でした。イブモンタンの「枯れ葉よ~」が聞こえてくるような風景の写真を取りそこなったのが悔やまれます。(美)